IuRabbit’s blog

自己満足に。マイペースに。そんな昭和63年生。

むかーしに見た夢の話

むかーしに見た夢の話、すごくリアルな話なんだけど私に弟はいないっていう。

起きてからも悲しくってしばらくずっと泣いてたなぁ。

悲しいと本当に胸が苦しくなるってことを知った夢だった…。

こんなストーリー性ある夢見るなんてどういう思考回路してるんだろうな、私。

 

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学生の頃、小学生の弟がいました。

弟は身体が弱かったわけではなく、でもある日突然入院してしました。

詳しい病状は知りませんでしたが、治療が難しい、所謂難病でした。

弟は自分がそんな難病とは知りません。

入院してからも笑顔が絶えず明るい子でした。

 

私と弟はとても仲良しでした。

弟が少し人見知りもあったせいか、よく私にくっついてきてました。

弟の小学校に一緒に行って、弟の机に落書きしたりしてました。

相合傘に弟と私の名前、先生に内緒ねって笑いあいました。

冒険気分でとても楽しかったのを覚えています。

私の高校にも遊びにきたりして、全部全部が楽しかった思い出です。

 

弟の手術の日が決まりました。

成功率はまだ五分五分だそうです。

私は担当医の先生と約束しました。

成功するかどうかは、当日の状況を見るまでは高いも低いとも言えないと。

なら。

私は持っていた絆創膏を2つ渡しました。

1つは無地の普通の絆創膏。

もう1つは弟が好きなキャラクターの絆創膏。

 

弟の手術が上手くいったなら、キャラクターの絆創膏を当日に返してください。

上手くいかなかったのなら、無地の絆創膏を返してください。

 

 

当日になりました。

弟は今日も笑顔で元気に見えます。

難しい手術だと言うのは伝えていません。

少なくとも私は伝えていません。

いつもどおりの弟。いつもどおりの私。

弟は笑顔で手術に向かっていきました。

私も笑顔で弟を見送りました。

私は祈りました。

ずっと、ずっと手を組んで、目をつむり祈りました。

弟のあの笑顔をまた見れると信じて、ずっと祈り続けました。

 

どれくらい経ったのか、気づいたら先生が私の前に立っていました。

先生の顔色は見えません。

私は、先生の前に進み出ました。

ゆっくり、2、3歩、それだけで先生の前にたどり着けました。

先生は手のひらを握って、私に方に向けてきました。

私は手のひらを差し出しました。先生の握った手が私の掌の上に。

そして先生は、そっと握った手のひらをはなして、私の手からどけました。

私が見た絆創膏は。

絆創膏の柄は。

 

どこにでもある、無地の茶色い絆創膏。

 

弟は、

助からなかった。

 

そのあとの私は弟の顔を見ることができず。

弟との思いでが詰まった場所へ、一人泣きながらさ迷い歩きました。

手をつないで歩いた道。

忍び込んだ小学校。

机に書いた落書き。

笑いあった、あの笑顔、あの笑い声。

こっそり上った屋上。

 

夕方の屋上で、

もう、弟は、私の弟は、この世にいない。

もう、あの笑顔を見ることができない。

弟は、死んでしまったと、気づいてしまいました。

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